妊婦に投与 可 (炭疽、野兎病に限り)
他薬に変更可能であれば、安全性が高い抗菌薬として
- ペニシリン系
- セフェム系
- エリスロマシン(エストレートを除く)がある。
参考
- 1998年の多施設プロスペクティブコントロール研究において、ニューキノロン系薬剤暴露群200例と対照群200例との出産結果が比較され報告されている。個々の薬剤に関して。使用妊婦数、投与量は以下の通りであった。シプロフロキサシン105例、投与量500~1,000㎎/日、ノルフロキサシン93例、投与量400~800㎎/日、オフロキサシン2例、投与量200~400㎎/日であった。ニューキノロン系暴露群と対照群でそれぞれ出生児は173例と188例、自然流産は18例と10例、人工妊娠中絶は9例と2例だった。大奇形は器官形成期にニューキノロン系薬剤に暴露された133例中3例の児に、対照群188例5例の児にみられ、両群に頻度の違いはみられなかった。薬剤暴露群に認められた奇形は心室中隔欠損症2例、動脈管開存1例、対照群では心室中隔欠損症2例、肺動脈弁狭窄を伴う心室中隔欠損症1例、尿道下裂1例、股関節位置異常1例だった。また、Denver発育測定法による運動神経発達の評価(骨格筋機能:持ち上げる、座る、腹ばいで進む、立つ、歩く)において、両群の児に違いはみられなかった。※1
- 主に尿路感染症の治療のため妊娠中にシプロフロキサシン(n=10)あるいはノルフロキサシン(n=28)を使用した38例(うち35例は妊娠第1三半期)の婦人の児に先天奇形はみられなかった。対照群と比較して、ニューキノロン系薬剤暴露群の妊婦は胎児窮迫のための帝王切開となる割合が有意に高く、新生児に体重は有意に重かったと報告されている。新生児の発達あるいは筋骨格系に両群間の違いは認められなかった。※2
- じほう 実践 妊娠と薬(第2版)の相談事例の報告がある。
絶対過敏期に本剤を服用した59例中57例は元気な赤ちゃんを産んでいる。口蓋裂1例、左水腎病・多膿疱性異形成腎1例。また、相対過敏期に服用した2例中1例は元気な赤ちゃんを産んでいる。口蓋裂1例。
文献
- 杏林製薬株式会社 バクシダール 添付文書、インタビューフォーム
- ※1 Loebstein R, et al : Pregnancy outcome following gestational exposure to fluoroquinolones ; a multicenter prospective controlled study. Antimicrob Agents Chemother, 42(6) : 1336-1339, 1998
- ※2 Berkovitch M, et al : Safety of the new quinolones in pregnancy. Obstet Gynecol 84(4 Pt 1) : 535-538, 1994
- じほう 実践 妊娠と薬(第2版) p939-942
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
身近な幸せを大切に!
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