妊婦とレボフロキサシン(クラビット)

妊婦と薬

服用 

妊婦がレボフロキサシンを服用するのは、他に適切な薬がない場合に限る

尿路感染症や呼吸器感染症の治療は、可能であれば経験から安全性の高いと言われている

・ペニシリン系

・セフェム系

・エリスロマシン(エストレートを除く)

などの抗菌薬を選択することが無難である。

参考

ヨーロッパの奇形情報センター(ENTIS)が行ったプロスペクティブ研究の報告では、ニューキノロン系を使用した妊婦が549例あった。

ニューキノロン系を使用した母親から生まれた子供のうち、4.8%の割合で奇形が報告された。

しかし、これは自然奇形発生率を上回るものではないと結論づけられている。

従って、著者らはニューキノロン系の薬剤の妊娠中暴露が直ちに人工妊娠中絶の理由にならないと考えている。

また、他の抗菌薬で治療が可能なことが多いので、ニューキノロン系は必要不可欠ではないという位置付けになっており、妊婦または妊娠している可能性のある場合には禁忌として扱われている。

じほう 実践妊娠と薬(第2版)の相談事例では、絶対過敏期にレボフロキサシンを服用した148例中146例は健常児を出産した。

異常のあった2例も関連性はなく、国内の自然奇形発生率を上回るものではないと考えられている。

相対過敏期にレボフロキサシンを服用した妊婦9例には、奇形などなく健常児を出産している。

妊婦がレボフロキサシンを服用することで、生じる母体、胎児への有害事象は肯定も否定もないのが現状である。

文献

  1. 第一三共株式会社:クラビット インタビューフォーム
  2. Schaefer C, et al : Pregnancy outcome after prenatal quinolone exposure. Evaluation of a case registry of the European Network of Teratology Information Services (ENTIS). Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol,69(2) : 83-89, 1996
  3. じほう 実践妊娠と薬(第2版)

多くの方に、安心と安全をお届けできれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。

身近な幸せを大切に!

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