妊婦とメロペネム水和物(メロペン注射用、キット)

妊婦と薬

投与

情報量が乏しいが、他に有効な抗菌薬が無ければ選択肢の一つとして考える
ただし、必要最低限の使用に限る

ヒトの症例報告

・千村らは、産婦人科領域感染症をメロペネム1日1~2gの点滴静注で治療した39

例の臨床効果を報告している。有効率は97.4%、自他覚的副作用および臨床検査値異常は認められなかった。このうち出産前にメロペネムを投与された妊婦は13例で、本剤による胎児への影響は指摘されていない。¹

・妊娠27週に発熱・左臀部疼痛にて歩行困難となり緊急入院、化膿性仙腸関節炎と診断された症例の報告がある。この妊婦は、メロペネム1日2gで8日間治療し、1日1gに減量して2日間治療した後、ファロペネム1日600㎎で12日間治療し治癒に至り、妊婦37週経腟分娩し、母児ともに経過良好で退院している。²

・妊娠24週のPreterm PROM治療として、メロペネム0.1g/dLを併用した持続羊水補助療法を施行した1例の報告がある。この報告では、治療中に原因不明の胎児心拍数sinusoidal patternが頻回に出現したことと本剤投与との因果関係を示唆しているが、30週に1,264gで出産された女児の出生時検査所見に異常は認められず、経過も良好であった。³

文献

・住友ファーマ株式会社:メロペン、インタビューフォーム

・¹ 千村哲朗、他:産婦人科領域感染症に対するMeropenem の臨床効果,Jpn J Antibiot, 54(1) : 1, 2001

・² 千村哲朗、他:妊娠中における化膿性仙腸関節炎. Jan J Antibiot, 54(9) : 491, 2001

・³ 小川正樹、他:妊娠24週Preterm PROMに対する抗生物質を含む持続羊水補充療法中に原因不明の胎児心拍数sinusoidal patternが出現した1例、周産期医学、27(9):1273,1997

・じほう 実践 妊娠と薬(第2版) p887-889

多くの方に、安心と安全をお届けできれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。身近な幸せを大切に!

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