他薬に変更可能であれば、安全性が高い抗菌薬として
・ペニシリン系
・セフェム系
・エリスロマシン(エストレートを除く)がある。
参考
◇1988年のプロスペクティブ多施設比較試験では、妊娠中のクラリスロマイシンを服用した母親157例(このうち122例が妊娠第1三半期暴露)に出産結果を背景の一致した同数のコントロール群と比較した。結果は、大奇形3例(2.3%) vs 2例(1.4%)でP=0.86、小奇形7例(5.4%) vs 7例(4.9%)でP=0.96であった。この結果、妊娠中のクラリスロマイシンの服用と胎児奇形発現頻度上昇との関連は認められなかった。一方で、自然流産は22例(14%) vs 11例(7%)と暴露群で有意に多かった。暴露群の自然流産率も一般に推定される自然流産の発生率範囲以内ではあったが、これについては今後さらなる検討が必要だろうと結輪づけられている※1
◇1996年までにFADには母親の妊娠中にクラリスロマイシンに暴露した先天奇形児6例の報告があった。報告された異常のパターンには一貫性がなく、著者らはクラリスロマイシンとの因果関係は低いだろうと考察している。※2
- じほう 実践 妊娠と薬(第2版)の相談事例の報告がある。
絶対過敏期にクラリスロマイシンを使用した176例中171例は奇形などない元気な赤ちゃんを産んでいる。奇形は、内斜視、鼠径ヘルニア、肺動脈閉鎖・エプスタイン奇形、母斑、舌の帯が通常よりくっついていた(病院に切開)であった。
相対過敏期10例中9例は奇形などない元気な赤ちゃんを産んでいる。1例は左鼻液管閉鎖症その後手術にて治癒している。
文献
・大正製薬株式会社 クラリス 添付文書、インタビューフォーム
・※1 Einarson A, et al : A prospective controlled multicentre study of clarithromycin in pregnancy. Am J Perinatol, 15(9) : 523-525, 1998
・※2 Briggs GG, et al : Drugs in Pregnancy and Lactation ; A Reference Guide to Fetal and Neonatal Risk, Lippooncott Williams & Wolkins, pp379-380, 2008
・じほう 実践 妊娠と薬(第2版) p904-907
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