妊婦とオーグメンチン配合錠(アモキシシリン水和物・クラブラン酸カリウム)

妊婦と薬

服用 

妊婦がオーグメンチン配合錠を服用したことで、奇形の頻度や危険度が上昇する可能性は低いと考える。
妊婦が使用できない薬剤ではない。

代替薬としては、安全性が高い抗菌薬として

・セフェム系

・エリスロマシン(エストレートを除く)

がある。

参考

◇早期出産前破水の妊婦1,212例に、アモキシシリン・クラブラン酸を10日間または出産まで投与したケースがある。

早期出産前破水に対するアモキシシリン・クラブラン酸の内服は妊娠期間を有意に延長したが、新生児の壊死性腸炎のリスクが上昇した可能性があると報告されている。

アモキシシリン・クラブラン酸群では1,205例中24例であったのに対して、プラセボ群では1,225例中6例であった。

統計学的に有意差が認められた(p<0.001)※1

◇アモキシシリン・クラブラン酸の催奇形性について、ハンガリーのケースコントロール調査がある。

先天奇形をもった子供を産んだ母親6,935例のうち、妊娠中にアモキシシリン・クラブラン酸を服用していたのは52例だった。

一方で、健康な子供を産んだ母親10,238例のうち、アモキシシリン・クラブラン酸を服用していたのは56例だった。

OR比は1.4[95%CI:0.9-2.0]で両群に統計学的な差異はなかったと報告している。※2

・じほう 実践 妊娠と薬(第2版)の相談事例では、アモキシシリン・クラブラン酸を絶対過敏期に服用した22例は奇形などない健康な子供を産んでいる。

これらの報告から、比較的安全に使える薬であると考える。

文献

グラクソ・スミスクライン株式会社 添付文書・インタビューフォーム

Kenyon SL, et al : Broad-spectrum antibiotics for preterm, prelabour rupture of fetal membranes: the ORACLE I randomized trial. Lancet, 357(9261) : 979-988, 2001 ※1

Czeizel AE, et al : Augmentin treatment during pregnancy and the prevalence of congenital abnormalities ; a population-based case-control teratologic study. Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol, 97(2) : 188-192, 2001 ※2

じほう 実践 妊娠と薬(第2版) 830-832

 

多くの方に、安心と安全をお届けできれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

身近な幸せを大切に!

 

 

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