妊婦とミノサイクリン(ミノマイシン「顆」「錠」「カ」「注射用」、ペリオクリン「歯科用」)

妊婦と薬
妊娠初期は投与 
妊娠中期以降 不可
(胎児に一過性の骨発育不全、歯牙の着色・エナメル形成不全を起こすことがある)

他薬に変更可能であれば、安全性が高い抗菌薬として

・ペニシリン系

・セフェム系

・エリスロマシン(エストレートを除く)

がある。

参考

◇妊婦に関して、胎児への催奇形性や胎児毒性に関する確かな疫学調査はない。

◇妊娠中期以降にテトラサイクリン系抗生物質を服用した妊婦の赤ちゃんでは乳歯の着色とエナメル質の形成不全が生じる可能性がある。※1

◇50,282組の妊婦の調査では、妊娠第1三半期546例、妊娠全期間で1,944例がテトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、オシキテトラサイクリンの影響は、大奇形と小奇形の発生頻度に有意な差はなかった。※2

◇じほう 実践 妊娠と薬(第2版)の相談事例の報告がある。

絶対過敏期にミノサイクリンを使用(内服100例、注射2例)した102例中100例は健康な赤ちゃんが生まれている。1例は心室中隔欠損、もう1例は内反足1例、共通性はない。
限られた情報ではあるが、国内における自然奇形発生率を超えるものではないと考えられている。
絶対過敏期に歯科用ミノサイクリンを使用した2例は元気な赤ちゃんを産んでいる。

文献

・ファイザー株式会社 ミノマイシン 添付文書、インタビューフォーム

・Joel G, ET al : goodman & Glimans’s the Pharmacological Basis of Therapeutics 10th ed., Mcgraw-Hill, p1245, 2001※1

・Heinonen OP, et al : Birth Defects and Drugs in Pregnancy, Publishing Sciences Group, pp296-313, 435, 1977※2

・じほう 実践 妊娠と薬(第2版) p893-895

多くの方に、安心と安全をお届けできれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
身近な幸せを大切に!

 

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