ルテインと目の健康|加齢黄斑変性・ブルーライト対策に役立つ成分と最新研究

健康

ルテインは、緑黄色野菜や一部の果物に多く含まれる天然色素で、目の黄斑部や水晶体に存在するカロテノイドの一種です。近年、加齢黄斑変性(AMD)の予防やブルーライトによるダメージ軽減効果が注目されています。本記事では、ルテインの働き、研究による効果、必要な摂取量、食品・サプリメントの選び方について、最新の知見を踏まえて詳しく解説します。

ルテインと目の健康|加齢黄斑変性・ブルーライト対策に役立つ成分と最新研究

1. ルテインとは何か

ルテインは、植物由来のカロテノイド(黄色色素)の一種で、特にケールやほうれん草、ブロッコリー、トウモロコシなどに多く含まれています。人間の体内では合成できず、食事から摂取する必要があります。目の網膜中央部(黄斑部)や水晶体に存在し、光や酸化ストレスから目を守る役割を果たします。

2. ルテインと目の構造

黄斑部は視力の中心を担う重要な部位であり、細かい文字や色彩を識別する機能に関わります。ルテインは黄斑色素として集中的に存在し、光の中でも特にエネルギーが強い青色光(ブルーライト)を吸収するフィルターのような役割を持ちます。

3. ルテインの主な働き

  • ブルーライトの吸収:パソコンやスマートフォンの画面から発せられるブルーライトを吸収し、網膜細胞への負担を軽減します。
  • 抗酸化作用:活性酸素を除去し、酸化ストレスによる細胞損傷を防ぎます。
  • 視覚機能の維持:コントラスト感度や視力の維持に寄与します。

4. 研究で示されたルテインの効果

4-1. 加齢黄斑変性(AMD)の予防

米国で行われた大規模臨床試験「AREDS2試験」では、ルテインとゼアキサンチンの摂取がAMDの進行抑制に有効であることが示されました。特に喫煙歴のある人では、ベータカロテンの代わりにルテインとゼアキサンチンを摂取することが推奨されています。

4-2. ブルーライトによる目の疲れ軽減

近年の研究では、長時間のディスプレイ使用による眼精疲労や視覚機能低下に対して、ルテイン補給が改善効果を示すことが報告されています。これは、ルテインがブルーライトを吸収し、網膜の酸化ダメージを軽減するためと考えられます。

4-3. 白内障リスクの低減

疫学研究において、血中ルテイン濃度が高い人は白内障の発症リスクが低い傾向があることが示唆されています。これはルテインの抗酸化作用が水晶体の透明性維持に寄与するためと考えられます。

5. ルテインの摂取量と食品

一般的な食事でのルテイン摂取量は1〜2mg程度ですが、研究で効果が見られるのは1日6〜10mg程度です。これは例えば以下の食品で補えます。

  • ケール(100g):約11〜20mg
  • ほうれん草(100g):約6〜12mg
  • ブロッコリー(100g):約1〜3mg
  • 卵黄(1個):約0.2〜0.3mg

加熱調理を行ってもルテインは比較的安定しており、油と一緒に摂取すると吸収率が向上します。

6. サプリメントでの摂取

食事だけで必要量を満たすのが難しい場合、サプリメントが有効です。サプリ選びでは以下の点に注意しましょう。

  • ルテイン含有量(1日6〜10mg目安)
  • ゼアキサンチンとの併用(黄斑部色素の相乗効果)
  • 油溶性カプセルなど吸収性に配慮した製剤

過剰摂取による重篤な副作用は報告されていませんが、長期的には必要量を守ることが望ましいです。

7. 注意点と最新の研究動向

ルテインは安全性が高い成分ですが、医薬品との相互作用や特定疾患(例:網膜色素変性症)への影響については十分なデータがありません。また、最新研究ではルテインが脳機能や認知症予防にも関与する可能性が報告されており、今後の展開が期待されています。

まとめ

  • ルテインは黄斑部に集中して存在し、光ストレスや酸化ダメージから目を保護します。
  • 加齢黄斑変性やブルーライトによる目の疲れ軽減に有効性が示唆されています。
  • 1日6〜10mgの摂取が望ましく、ケールやほうれん草、サプリから補給可能です。

参考文献

  1. Age-Related Eye Disease Study 2 Research Group. Lutein + Zeaxanthin and Omega-3 Fatty Acids for Age-Related Macular Degeneration: The AREDS2 Randomized Clinical Trial. JAMA. 2013;309(19):2005-2015.
  2. Ma L, et al. Lutein supplementation improves visual performance in Chinese drivers: a randomized controlled trial. Nutrients. 2016;8(10):648.
  3. Chung I, et al. Dietary lutein and zeaxanthin and the risk of cataract: a systematic review and meta-analysis. Br J Nutr. 2013;110(1):11-23.

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