難消化性デキストリンは血中中性脂肪を下げる?効果と注意点を解説

健康

健康診断で「中性脂肪が高い」と言われたことはありませんか?
血中中性脂肪の増加は動脈硬化や心疾患のリスクを高めるため、日々の食事や生活習慣の見直しが必要です。近年、「難消化性デキストリン」が中性脂肪を下げる成分として注目されていますが、実際にはどのような効果があるのでしょうか?
本記事では、難消化性デキストリンの働きや血中中性脂肪との関係、注意点について、わかりやすく解説します。

難消化性デキストリンは血中中性脂肪を下げる?効果と注意点を解説

難消化性デキストリンとは?

難消化性デキストリンは、トウモロコシなどのデンプンを酵素処理して得られる水溶性の食物繊維です。もともと食物繊維が不足しがちな現代人のために開発され、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品に多く使用されています。

水に溶けやすく、無味無臭であるため、飲料やサプリメントなどに幅広く利用されており、整腸作用、食後血糖値の上昇抑制、脂肪吸収の抑制など、さまざまな健康効果が報告されています。

中性脂肪とは?その役割とリスク

中性脂肪(トリグリセリド)は、私たちの体内でエネルギー源として使われる重要な脂質です。しかし、過剰に摂取すると血液中に中性脂肪が増え、血管の内壁に蓄積して動脈硬化を引き起こす原因になります。

厚生労働省によると、空腹時血中中性脂肪の正常値は150mg/dL未満とされ、それを超えると脂質異常症と診断される可能性があります。中性脂肪が高い状態を放置すると、心筋梗塞や脳卒中といった重篤な疾患につながるため、早めの対策が重要です。

難消化性デキストリンが血中中性脂肪に与える影響

難消化性デキストリンは、食事に含まれる脂質の吸収を抑える作用があります。これにより、食後の中性脂肪の急激な上昇を防ぎ、長期的に見れば血中中性脂肪の改善が期待できます。

臨床研究の紹介

実際の臨床研究でも、難消化性デキストリンの効果が確認されています。

  • ある研究では、高脂肪食とともに難消化性デキストリンを摂取した被験者では、摂取しなかった群に比べて食後の血中中性脂肪濃度の上昇が有意に抑えられました(Nagura et al., 2007)。
  • また、機能性表示食品の届出情報によると、1日5~10g程度の難消化性デキストリンを継続的に摂取することで、中性脂肪のコントロールに役立つ可能性があるとされています。

どのように摂取すればよいか

難消化性デキストリンは、以下のような形で手軽に摂取できます。

  • トクホ飲料(脂肪の吸収を抑えると表示されたお茶など)
  • 機能性表示食品のサプリメント
  • 粉末状の難消化性デキストリンを食事や飲み物に加える

摂取量は1日5~10gを目安にしましょう。ただし、過剰に摂取するとお腹がゆるくなることもあるため、体調に応じて調整が必要です。

注意点と副作用

難消化性デキストリンは基本的に安全性が高いとされていますが、以下の点に注意が必要です。

  • 一度に大量に摂取すると、下痢や腹部膨満感などの消化器症状を引き起こす可能性がある
  • 糖尿病治療薬や脂質異常症の薬を使用している場合は、医師や薬剤師に相談のうえ使用する
  • 継続摂取が必要であり、一度や二度の摂取では効果が見込めない

生活習慣と併用が効果的

難消化性デキストリンだけで中性脂肪を完全にコントロールすることは困難です。以下のような生活習慣の見直しと併せて摂取することが大切です。

  • バランスのよい食事(特に脂質・糖質の摂取を控えめに)
  • 定期的な運動(ウォーキングや軽い筋トレなど)
  • 禁煙・節酒
  • 十分な睡眠とストレス管理

医療機関での検査と相談を

健康食品や機能性成分を取り入れる前に、まずは現在の健康状態を把握することが大切です。血液検査で中性脂肪の数値を確認し、必要に応じて医師と相談しながら対策を進めましょう。

まとめ

難消化性デキストリンは、脂質の吸収を緩やかにすることで血中中性脂肪の上昇を抑える効果が期待できる成分です。トクホ飲料やサプリメントをうまく活用すれば、日々の食事に無理なく取り入れることができます。ただし、生活習慣の見直しや医師の指導と併用することが、より効果的な対策につながります。中性脂肪が気になる方は、まずは日常の食事と運動を見直しながら、難消化性デキストリンの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

参考文献・引用

  • 厚生労働省「脂質異常症の診断基準」
  • Nagura, T. et al. (2007). “Effect of resistant dextrin on postprandial serum triglyceride levels in healthy humans.” Journal of Nutritional Science and Vitaminology, 53(2): 123–128.
  • 消費者庁 機能性表示食品届出情報検索サイト
  • 日本人の食事摂取基準(2020年版)

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