健康のために飲んでいるサプリメントや健康食品が、実は薬との「飲み合わせ」で重大な副作用を引き起こす可能性があることをご存知ですか?特に注意すべきなのが「肝障害」。本記事では、健康食品と医薬品の同時摂取によって起こる肝機能障害のメカニズムや、実際の症例、予防策について解説します。自己判断での併用がなぜ危険なのか、医療の専門的知見をもとに詳しくお届けします。
健康食品と薬の飲み合わせに注意!知らないと怖い「肝障害」のリスクとは?
1. 健康食品と医薬品の違いとは?
健康食品(サプリメント)は、あくまで「食品」に分類され、基本的には病気の治療を目的とはしていません。一方、医薬品は病気の予防・治療・診断を目的とし、厳密な臨床試験と承認を経て販売されています。
しかし、健康食品の中にはビタミン類やハーブ、漢方成分など、薬に似た作用を持つ成分も多く含まれており、医薬品との併用で体に影響を及ぼすことがあります。
2. なぜ肝障害が起きるのか?
肝臓は、薬や食品の成分を分解・解毒する重要な臓器です。しかし、複数の成分を一度に摂取することで、肝臓に過剰な負担がかかり、障害を引き起こすことがあります。
また、健康食品に含まれる成分が肝酵素の働きを阻害し、薬の代謝を遅らせたり、逆に早めたりすることで、薬の血中濃度が異常に変動し、肝細胞にダメージを与える場合もあります。
3. 実際に報告されている肝障害の症例
以下は、実際に健康食品と医薬品の併用により肝障害が報告された例です。
- ウコン(ターメリック)と降圧薬の併用:肝機能障害が発生。ウコンに含まれるクルクミンが肝酵素を阻害したと考えられる。
- ダイエットサプリと解熱鎮痛薬(NSAIDs)の併用:急性肝炎を発症。サプリに含まれる緑茶抽出物と薬の代謝経路が重複し、肝臓に強いストレス。
- ハーブ(セントジョーンズワート)と抗うつ薬の併用:薬剤の代謝促進により薬効が減弱し、精神症状が悪化。間接的に肝機能にも影響。
4. 特に注意が必要な健康食品成分
以下のような成分は、薬との相互作用が報告されており注意が必要です:
成分 | 注意すべき併用薬 | リスク |
---|---|---|
ウコン | 降圧薬、抗がん剤など | 肝酵素阻害、代謝異常 |
セントジョーンズワート | 抗うつ薬、抗てんかん薬など | 薬効の減弱、代謝異常 |
高濃度緑茶抽出物(カテキン) | NSAIDs、抗凝固薬など | 肝毒性、代謝変化 |
高濃度ビタミンA・E | 脂溶性薬剤など | 肝臓蓄積による障害 |
5. 併用を避けるためのポイント
健康食品と医薬品の安全な併用には、以下の点に注意しましょう:
- 服用中の薬と健康食品の成分を必ずチェックする
- 自己判断での併用を避け、医師・薬剤師に相談する
- 新たな健康食品を始める際は、体調や肝機能に注意を払う
- 複数のサプリメントを同時に摂取しない
6. 医療機関に相談すべきタイミング
次のような症状がある場合は、すぐに医師に相談してください:
- 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
- 原因不明の倦怠感、食欲不振
- 右上腹部の違和感や痛み
- 尿の色が濃くなった
7. 健康食品は「安全」とは限らない
「天然成分だから安心」「サプリだから副作用はない」と思い込むのは危険です。健康食品も摂取方法を誤れば健康被害を招く可能性があるため、正しい知識と注意が必要です。
まとめ
薬と健康食品の併用には、肝障害を含む重大なリスクが潜んでいます。特にサプリメントは手軽に手に入る一方で、成分が強力である場合もあります。自己判断での併用は避け、必ず医師や薬剤師に相談するようにしましょう。健康のために始めたつもりのサプリメントが、かえって健康を損なうことのないよう、正しい情報に基づいた判断が大切です。
参考文献・引用
- 厚生労働省「健康食品に関するQ&A」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/kenkou/
- 国立医薬品食品衛生研究所「健康食品と医薬品の相互作用」 https://www.nihs.go.jp/
- 日本肝臓学会「肝障害診療ガイドライン」 https://www.jsh.or.jp/

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