がんは日本人の死因の第一位であり、多くの人が予防策を求めています。世界がん研究基金（WCRF）と米国がん研究協会（AICR）は、科学的根拠に基づいた「がん予防のための10カ条」を発表しています。これらのガイドラインを実践することで、がんリスクを大幅に低減できる可能性があります。本記事では、その10カ条の詳細と、実践方法について詳しく解説します。
世界がん研究基金が発表！がん予防のための10カ条とは？
1. 世界がん研究基金とは？
世界がん研究基金（WCRF: World Cancer Research Fund）は、がんの予防に関する研究を行い、その結果をもとに国際的な健康ガイドラインを提供する組織です。WCRFと米国がん研究協会（AICR: American Institute for Cancer Research）は共同で「がん予防のための10カ条」を発表し、多くの専門家がその有効性を認めています。
2. がん予防の10カ条
WCRFが提唱する「がん予防の10カ条」は、生活習慣を見直すことでがんのリスクを低減するためのガイドラインです。
① 健康的な体重を維持する
肥満は、乳がん、大腸がん、膵臓がんなど多くのがんのリスクを高めます。適正体重を維持するためには、適度な運動とバランスの取れた食事が重要です。
② 身体活動を習慣にする
座りがちな生活を避け、1日30分以上の運動を習慣にしましょう。ウォーキングやジョギング、筋トレなどが推奨されています。
③ 高エネルギー食品の摂取を控える
砂糖や脂肪が多く含まれる加工食品は、肥満の原因となるため、過剰摂取を避けましょう。特に、清涼飲料水やファストフードの摂取には注意が必要です。
④ 植物性食品を多く摂る
野菜、果物、豆類、全粒穀物などを積極的に摂取することで、抗酸化作用や腸内環境の改善が期待できます。
⑤ 赤肉と加工肉の摂取を制限する
牛肉や豚肉などの赤肉、ソーセージやハムなどの加工肉は、大腸がんのリスクを高めることが報告されています。摂取量を週500g未満に抑えることが推奨されています。
⑥ アルコールの摂取を控える
アルコールは、口腔がん、食道がん、肝臓がん、乳がんのリスクを高めるとされています。完全に断つのが理想ですが、少なくとも摂取量を減らすことが重要です。
⑦ 塩分の摂取を抑える
塩分の過剰摂取は胃がんのリスクを高めます。1日の塩分摂取量を6g未満に抑えることが推奨されています。
⑧ サプリメントに頼らない
栄養はできるだけ食品から摂取し、サプリメントに頼りすぎないことが大切です。特に、β-カロテンの過剰摂取は肺がんのリスクを高める可能性があります。
⑨ 母乳育児を推奨
母乳育児は乳がんのリスクを低減し、赤ちゃんの健康にも良い影響を与えます。可能な限り6か月以上の母乳育児を推奨します。
⑩ がんサバイバーも健康的な生活を
がん経験者も、これらの生活習慣を継続することで、再発リスクの低減や健康維持に役立ちます。
3. がん予防のための具体的な対策
これらの10カ条を実践するために、以下の具体的な対策をおすすめします。
- 毎日の食事に野菜・果物を多く取り入れる
- ファストフードや加工食品の摂取を減らす
- 定期的に運動する（1日30分以上のウォーキングなど）
- アルコールやタバコを控える
- 健康診断を定期的に受ける
まとめ
がんは、生活習慣を見直すことで予防できる可能性があります。世界がん研究基金の「がん予防の10カ条」は、科学的根拠に基づいたガイドラインであり、これを実践することでがんのリスクを低減できると考えられています。食事・運動・体重管理を意識し、健康的な生活を送りましょう。
参考文献
- World Cancer Research Fund. “Cancer Prevention Recommendations.” https://www.wcrf.org/
- American Institute for Cancer Research. “Diet, Nutrition, Physical Activity and Cancer: A Global Perspective.”
- 国立がん研究センター「がん予防と食生活」
健康は資産、幸せは健康から！！
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