キャリアアップや資格取得を目指す社会人を支援する「教育訓練休暇給付金」。
仕事と学びの両立を後押しする制度として注目されています。
しかし、「教育訓練給付金とはどう違うの？」「誰がもらえるの？」「会社員でも利用できる？」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、2025年最新の制度内容・給付条件・申請手順を、ファイナンシャルプランナーの視点で詳しく解説します。

教育訓練休暇給付金とは？対象者・支給額・申請方法をわかりやすく解説

1. 教育訓練休暇給付金とは？

教育訓練休暇給付金（きょういくくんれんきゅうかきゅうふきん）は、雇用保険に加入している労働者が、職業能力の向上を目的とした教育訓練を受けるために休暇を取った際に支給される制度です。
これは「教育訓練給付金」とは異なり、訓練期間中の収入減少を補うために設けられています。仕事を続けながら学び直し（リスキリング）を行いたい方に向いている支援策です。

2. 対象となる人

教育訓練休暇給付金の対象者は、次の条件を満たす雇用保険被保険者です。

• 雇用保険の被保険者であること
• 同一の事業主に3年以上雇用されていること（中小企業では1年以上）
• 厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講すること

対象となる教育訓練は、パソコンスキル・簿記・介護・IT・語学など幅広く指定されています。会社の業務に直接関係がなくても、キャリアアップにつながる内容であれば認められるケースもあります。

3. 支給内容と金額

教育訓練休暇給付金の支給額は、休暇を取った日数に応じて計算されます。
支給額は、以下のように定められています。

• 賃金日額の80％が支給対象
• 上限額は1日あたり8,355円（2025年度時点の参考）

たとえば、1日1万円の賃金相当で5日間休暇を取って訓練を受けた場合、1日8,000円×5日＝40,000円が支給されます。

4. 教育訓練給付金との違い

教育訓練給付金は「受講料の一部」が支給される制度であり、教育訓練休暇給付金は「休暇中の賃金補填」が目的です。
両方を併用することも可能ですが、それぞれに申請先と条件が異なるため注意が必要です。

5. 利用できる教育訓練の例

• 簿記・FP・宅建などの資格取得講座
• 介護職員初任者研修・保育士資格講座
• プログラミング・AI・データ分析講座
• ビジネス英語・TOEIC対策

特に近年は、DX人材育成やリスキリング推進を目的とした「専門実践教育訓練」が拡充されており、国が積極的に学び直しを後押ししています。

6. 申請手続きの流れ

1. 勤務先へ「教育訓練休暇制度」の利用希望を申請
2. 教育訓練を受ける（受講証明書などを保管）
3. 訓練修了後、ハローワークへ申請
4. 審査後、指定口座に給付金が振り込まれる

申請は訓練終了日の翌日から1か月以内が原則です。書類不備での差し戻しも多いため、早めの準備が重要です。

7. 利用時の注意点

• 会社の就業規則に教育訓練休暇制度が設けられている必要がある
• 訓練内容が厚生労働省指定のものであること
• 雇用保険の加入期間を満たしていること
• 休暇を無断欠席・中断すると支給対象外になる

8. まとめ：キャリアアップのチャンスを逃さない

教育訓練休暇給付金は、社会人のキャリア形成を支援する心強い制度です。
「学び直し」によって将来の選択肢を広げることができるだけでなく、経済的な負担も軽減できます。
勤務先の人事担当者やハローワークに相談し、自分に合った教育訓練制度を上手に活用しましょう。

📚参考文献・引用

• 厚生労働省「教育訓練給付制度」

• ハローワークインターネットサービス「教育訓練休暇給付金」

• 厚生労働省「キャリア形成促進助成金」

今日が一番若い日