本わさび由来6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネートと認知機能|記憶力を支える新しい可能性

健康

わさびといえば寿司やそばに欠かせない香辛料ですが、実はその辛味成分のひとつに「認知機能をサポートする可能性」が注目されています。それが「6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(6-MSITC)」です。本わさびに豊富に含まれるこの成分は、抗酸化作用や抗炎症作用を通じて脳の健康に働きかけると考えられています。本記事では、最新の研究や作用メカニズムをわかりやすく解説し、認知機能との関わりについて紹介します。

本わさび由来6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネートと認知機能|記憶力を支える新しい可能性

本わさびとその健康成分

日本の伝統食材である本わさび(Wasabia japonica)には、独特の辛味と香りを生み出す成分「イソチオシアネート類」が豊富に含まれています。 この中でも「6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(6-MSITC)」は特に注目され、抗酸化作用や抗炎症作用、さらには神経保護作用を持つ可能性が研究されています。

6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(6-MSITC)とは?

6-MSITCはイソチオシアネート類の一種で、本わさび特有の香味成分です。他のイソチオシアネート(ブロッコリー由来のスルフォラファンなど)と比べても強い抗酸化力を持ち、体内で活性酸素を抑える働きが期待されています。 また、血液脳関門を通過する可能性が報告されており、直接的に脳機能へ作用する点でも関心を集めています。

認知機能との関わり

認知機能の低下には、脳内での酸化ストレスや慢性的な炎症反応が関与すると考えられています。6-MSITCは抗酸化作用によって神経細胞を保護し、また抗炎症作用によって脳内の炎症を抑える可能性があります。 動物実験の段階では、学習能力や記憶力の低下を防ぐ効果が示されており、認知機能をサポートする成分として注目されています。

ヒトを対象とした研究

日本国内の研究では、軽度の認知機能低下を感じている高齢者に対して6-MSITCを含む本わさび抽出物を摂取してもらったところ、記憶力や注意力の改善が示唆された報告があります。 まだ研究段階ではありますが、サプリメントや機能性表示食品の素材として実用化が進んでいます。

安全性と注意点

本わさびは食品として長く親しまれており、安全性が高い食材です。ただし、6-MSITCを高濃度で摂取する場合は、胃腸の弱い人に刺激となる可能性があります。サプリメントを利用する場合は、表示された目安量を守ることが大切です。

摂取方法のポイント

日常的に寿司やそばでわさびを摂る程度では6-MSITCの量は十分ではありません。そのため、機能性食品やサプリメントとして加工されたものを取り入れるのが現実的です。継続して摂取することで、より安定した効果が期待できるとされています。

今後の展望

6-MSITCの研究はまだ始まったばかりですが、「天然由来成分で脳をサポートできる」という点から、国内外で注目が高まっています。今後は認知症予防の臨床試験や、他のポリフェノール・プロバイオティクスとの併用研究も期待されています。

まとめ

本わさびに含まれる「6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート」は、抗酸化・抗炎症作用を通じて脳を守り、認知機能を支える可能性がある成分です。日常的な食事では十分量を摂取するのが難しいため、サプリメントや機能性食品の活用が有効と考えられます。今後の研究が進めば、より確かなエビデンスに基づいた「天然素材による脳の健康維持」が実現するかもしれません。

参考文献(引用)

  1. Watanabe T, et al. 6-Methylsulfinylhexyl isothiocyanate from Wasabia japonica improves cognitive function in healthy adults: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial. J Funct Foods. 2020;64:103667.

  2. Zhang Y, et al. Isothiocyanates as bioactive food components: anti-carcinogenic and neuroprotective roles. Food Sci Hum Wellness. 2018;7(3):175-182.

  3. 村上明. 「本わさび由来成分の機能性研究」食品機能研究, 2021.

健康は資産、幸せは健康から!!

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