ナトリード(Naturido®)で認知機能を支える?視覚記憶・認知速度を維持する新素材をやさしく解説

健康

近年、「物忘れが増えてきた」「あれ、何をしようとしていたか忘れた…」と感じることはありませんか?そんなタイミングで注目されているのが、冬虫夏草由来の新規素材「ナトリード(Naturido®)」です。細胞実験や老化促進モデル動物試験に加え、ヒトを対象とした臨床研究でも“視覚的な記憶力”や“認知機能速度”の維持に寄与する可能性が報告されています。この記事では、ナトリードとは何か、どんな働きがあるのか、そして認知機能サポートの観点からどう活用できるかを、わかりやすくお伝えします。

ナトリード(Naturido®)で認知機能を支える?視覚記憶・認知速度を維持する新素材をやさしく解説

ナトリードとは?

ナトリード(Naturido®)は、カイコハナサナギタケ冬虫夏草(学名:Isaria japonica)という冬虫夏草菌をカイコのサナギなどを培地として培養し、そこから抽出された“環状ペプチド”の一種です。この素材は、神経細胞(ニューロン)を支えるグリア細胞(アストロサイト・ミクログリア)への作用が確認されており、従来の “抗酸化・血流改善” 型アプローチとは異なる、神経・脳サポートの新しい選択肢として研究が進んでいます。

認知機能との関係:なぜナトリードが注目されるのか?

「認知機能」とは、記憶・学習・判断・注意・認識・処理速度といった、脳が情報を処理する能力の総称です。加齢やストレス、環境要因によってこれらの機能は徐々に低下していくことが知られており、特に“視覚的な記憶力”(見た物・場所・人を覚える能力)や“認知機能速度”(視覚情報を素早く判断し行動へつなげる力)は高齢者において低下しやすい項目です。ナトリードは、①神経細胞の成長促進 ②栄養を供給するグリア細胞(アストロサイト)の増殖促進 ③脳内の不要反応や過剰炎症を抑えるミクログリアの正常化 という3つの作用を通じ、これらの項目の維持をサポートする可能性が報告されています。

機序から見るナトリードの働き

・アストロサイトの増殖:アストロサイトは神経細胞の活動を支える“土台”のような細胞で、栄養や酸素の供給・シナプスのサポート・代謝産物の除去などを担います。ナトリードを投与することで、アストロサイトが増える報告があります。

・ミクログリアの調整:ミクログリアはいわゆる“脳の免疫細胞”であり、過剰な活性化は神経細胞を傷つけることがあります。ナトリードはこの過剰反応を抑え、神経を守る作用が確認されています。

・神経突起の伸長促進:神経細胞が情報を正確・迅速に伝えるためには、突起(軸索・樹状突起)が適切に伸びて接続を作ることが重要です。ナトリードはこれを促進することで、記憶や学習の基盤となる神経ネットワークを支える可能性があります。

研究データ:ヒト・動物・細胞での知見

【動物・細胞実験】 岩手大学の研究では、老化促進モデルマウス(SAMP8)にナトリードを7週間投与したところ、空間記憶(ラット・マウス・迷路課題)において改善が見られたと報告されています。

【ヒト臨床試験】 2022年秋に発表されたプレスリリースによると、40歳以上の健常者および軽度認知障害者を対象に、ナトリード含有食品を12週間摂取した群では、「視覚記憶力」「認知機能速度」「運動速度」などの指標でプラセボ群に比べ改善が有意に確認されたとされています。

これらの結果は、ナトリードが実用的な範囲で“認知機能の一部を維持する”素材として解釈できる可能性を示しています。

摂取方法と注意点

ナトリードを含む製品では「1日3粒を目安に水などで摂取」といった指示が一般的です。届出情報では、機能性関与成分ナトリード 0.96 mg/日を目安としています。安全性については、研究では大きな副作用は報告されていませんが、機能性表示食品は医薬品ではないため、「認知症を治す」「脳を劇的に改善する」ものではないという理解が前提です。 特に、既往歴のある方、医薬品を服用中の方、妊娠中・授乳中の方は医師への相談をおすすめします。

生活習慣との組み合わせが鍵

ナトリード単独では“魔法の薬”ではなく、日常生活の基盤と組み合わせることでその効果がより引き出されます。

・バランスの良い食事(抗酸化栄養素・良質なたんぱく質)

・定期的な運動(有酸素+筋トレ)

・良質な睡眠(7時間以上)

・脳への刺激(読書・学習・新しい挑戦)

これらを基本に据えたうえで、ナトリードを“認知機能維持サポート”成分として位置づけることが理想です。

今後の展望と注意点

ナトリードの研究は確かに進展しており、グリア細胞‐神経細胞連携をターゲットとした新しいアプローチとして期待されています。ただし、現時点ではヒトにおける大規模長期試験はまだ限られており、「認知症予防」「認知機能改善」の確定的な効果は言えない段階です。 今後、さらに多くの臨床データや実用的なガイドラインが整備されることが期待されます。

まとめ

ナトリード(Naturido®)は、冬虫夏草由来の新規素材で、神経細胞を支えるグリア細胞への働きかけを通じ、「視覚的な記憶力」「認知機能速度」「運動速度」といった認知機能の一部を維持する可能性が報告されています。
しかしながら、あくまで“維持をサポートする素材”であり、生活習慣(食事・運動・睡眠・脳活動)と併用することで本領を発揮します。認知機能に少しでも不安がある中高年の方にとって、有用な選択肢の一つとなり得るでしょう。

参考文献

  1. 若林篤光 ほか. “カイコハナサナギタケ冬虫夏草由来成分(ナトリード)がアルツハイマー病モデル生物の学習機能の低下を防ぐ.” 岩手大学農学部リサーチニュース. 2025.03.27.

  2. 第一工業製薬株式会社. “認知機能を改善する新規物質「ナトリード(Naturido®)」” プレスリリース. 2021.01.28.

  3. 第一工業製薬株式会社. “ヒトに対する認知機能改善効果を確認!「ナトリード®」含有の臨床試験報告” PR TIMES. 2022.10.04.

  4. 認知症ねっと. “第一工業製薬、機能性表示食品「快脳冬虫夏草」新発売” 2023.08.24.

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