眠れない、夜中に目が覚める、熟睡感が得られない――そんな悩みを抱える人が増えています。近年注目されている成分のひとつが「テアニン」です。テアニンはお茶に含まれるアミノ酸で、リラックス作用やストレス軽減効果が報告されており、睡眠の質改善にも役立つ可能性が示されています。本記事では、テアニンの基礎知識から睡眠改善効果、安全性、効果的な摂取方法まで、研究をもとにわかりやすく解説します。
テアニンは睡眠の質を高める?研究でわかる効果と安全な摂取法
テアニンとは?
テアニン(L-テアニン)は緑茶や玉露などに多く含まれるアミノ酸の一種で、うま味成分としても知られています。カフェインとともにお茶の主要な成分であり、脳波に影響を与えることでリラックスや集中力向上に関わることが報告されています。
テアニンと睡眠の関係
テアニンは睡眠の質に関して以下のような効果が期待されています。
- リラックス作用:脳波においてα波を増加させ、心身を落ち着かせます。
- ストレス軽減:交感神経の過剰な働きを抑制し、副交感神経を優位にすることで入眠を促します。
- 深い睡眠の促進:ノンレム睡眠の割合を高め、熟睡感を向上させる可能性があります。
研究で報告されている効果
近年の研究では、テアニンの摂取が睡眠の質を改善することが示されています。
- 入眠時間の短縮:寝つきが良くなり、入眠までの時間が短くなったとの報告があります。
- 中途覚醒の減少:夜中に目が覚める回数が減ったとする研究があります。
- 日中の疲労軽減:睡眠の質が改善されたことで、翌日の集中力や疲労感が軽減されたと報告されています。
作用メカニズム
テアニンが睡眠に良い影響を与えると考えられるメカニズムは以下の通りです。
- 神経伝達物質への作用:テアニンは脳内でグルタミン酸受容体に作用し、過剰な興奮を抑制します。
- GABAの増加:リラックスをもたらす神経伝達物質GABAの働きを助けるとされています。
- 自律神経の調整:ストレスや緊張で優位になる交感神経を抑え、副交感神経を優位にします。
テアニンを含む食品とサプリメント
テアニンは緑茶に多く含まれています。特に玉露や抹茶には高濃度で含まれており、100mlあたり約10〜20mgが目安とされます。しかし、睡眠改善を目的とした十分な量を得るには、サプリメントの利用が一般的です。
摂取量の目安
研究では1日200〜400mgのテアニン摂取で睡眠の質改善効果が報告されています。サプリメントは就寝30分〜1時間前に摂取する方法が推奨されることが多いです。
安全性と副作用
テアニンは食品由来のアミノ酸であり、安全性が高い成分です。これまでの研究でも重大な副作用は報告されていません。ただし、カフェインを含むお茶と一緒に摂取する場合、覚醒作用の影響があるため、サプリメントなどで単独摂取するのが望ましいとされています。
生活習慣との組み合わせが重要
テアニンの摂取とあわせて、睡眠の質を高めるためには生活習慣の見直しも必要です。
- 就寝前のスマホやパソコン使用を控える
- カフェインやアルコールの摂取を控える
- 寝室を静かで快適な環境に整える
- 日中の適度な運動を取り入れる
これらを実践することで、テアニンの効果をより実感しやすくなります。
まとめ
テアニンはリラックス作用やストレス軽減を通じて、睡眠の質を改善する可能性がある成分です。研究では入眠を促し、中途覚醒を減らす効果が報告されており、安全性も高いことが示されています。食事やサプリメントから摂取し、生活習慣の工夫とあわせて取り入れることで、快適な睡眠をサポートしてくれるでしょう。
参考文献(引用元)
Lyon MR, et al. “Effects of L-theanine (Suntheanine®) on objective sleep quality in boys with attention deficit hyperactivity disorder (ADHD).” Altern Med Rev. 2011.
Kimura K, et al. “L-Theanine reduces psychological and physiological stress responses.” Biol Psychol. 2007.
日本睡眠学会. 「睡眠とアミノ酸」関連研究報告.
厚生労働省 e-ヘルスネット「睡眠と生活習慣」.

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