目の健康を保つためには、日常的な食事や生活習慣の中で必要な栄養素を意識することが大切です。その中でも、カロテノイドの一種である「ゼアキサンチン」は、網膜の中心部に高濃度で存在し、加齢や紫外線によるダメージから目を守る重要な成分です。本記事では、ゼアキサンチンの働き、摂取方法、科学的エビデンス、そして目の健康維持における活用ポイントについて解説します。
ゼアキサンチンと目の健康|加齢黄斑変性予防や視機能維持に役立つ栄養素
ゼアキサンチンとは
ゼアキサンチン(Zeaxanthin)は、天然に存在するカロテノイドの一種で、特に緑黄色野菜やトウモロコシ、パプリカなどに多く含まれます。人体では合成できないため、食事から摂取する必要があります。
ゼアキサンチンはルテインと共に、目の網膜中心部である黄斑(macula)に高濃度で存在し、光の有害な波長を吸収して酸化ストレスから網膜細胞を守ります。
ゼアキサンチンの働きと目への効果
- ブルーライトや紫外線の吸収:短波長光(ブルーライト)を吸収し、網膜へのダメージを軽減します。
- 抗酸化作用:活性酸素を除去し、網膜の酸化ストレスを抑えます。
- 視機能の維持:コントラスト感度や視覚の鮮明さを保ちます。
- 加齢黄斑変性(AMD)の予防:進行リスクを低減する可能性が示されています。
科学的エビデンス
米国のAREDS2(Age-Related Eye Disease Study 2)研究では、ルテインとゼアキサンチンを含むサプリメントが、加齢黄斑変性の進行リスクを低減する可能性が報告されました。また、日本人を対象とした研究でも、ゼアキサンチン摂取が黄斑色素光学密度(MPOD)を増加させ、視機能改善に寄与することが示唆されています。
ゼアキサンチンの摂取源
ゼアキサンチンは主に以下の食品に豊富に含まれます。
- トウモロコシ
- パプリカ(特に黄色やオレンジ)
- ほうれん草
- ケール
- 卵黄(吸収率が高い)
食品からの摂取が難しい場合、サプリメントで補う方法もあります。
効果的な摂取方法
ゼアキサンチンは脂溶性成分のため、油と一緒に摂ることで吸収率が向上します。例えば、サラダにオリーブオイルを加える、卵料理と一緒に摂るなどが効果的です。
過剰摂取の注意点
ゼアキサンチンは食品からの摂取では過剰症の心配はほとんどありませんが、サプリメントを長期間にわたり高用量で摂取する場合は、医師や管理栄養士に相談することが推奨されます。
目の健康維持のための生活習慣
ゼアキサンチン摂取に加えて、以下の生活習慣が目の健康維持に重要です。
- バランスの良い食事
- 十分な睡眠
- ブルーライトカット眼鏡の活用
- 禁煙(喫煙はAMDのリスクを高めます)
- 定期的な眼科検診
まとめ
ゼアキサンチンは、加齢や光ストレスから目を守り、視機能を維持する重要な栄養素です。日々の食事に意識的に取り入れ、必要に応じてサプリメントを活用することで、加齢黄斑変性の予防や視覚の質の向上に役立ちます。
参考文献
Age-Related Eye Disease Study 2 Research Group. “Lutein + Zeaxanthin and Omega-3 Fatty Acids for Age-Related Macular Degeneration.” JAMA. 2013;309(19):2005–2015.
Ma L, et al. “Effect of Lutein and Zeaxanthin on Macular Pigment and Visual Function in Patients with Early Age-Related Macular Degeneration.” Br J Nutr. 2012;107(3):350–359.
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」

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