桑の葉イミノシュガーは糖尿病に効果あり?血糖値コントロールに役立つ天然成分を徹底解説
桑の葉とは?
桑(クワ)は古くから養蚕業や薬草として利用されてきた植物です。特に桑の葉には、食物繊維やフラボノイド、カルシウム、ビタミン群など栄養素が豊富に含まれています。その中でも、糖の代謝に関与するイミノシュガー「デオキシノジリマイシン(DNJ)」は、血糖値抑制に寄与する成分として注目されています。
イミノシュガー(DNJ)とは何か?
イミノシュガーとは、糖と似た構造を持ち、酵素の働きを妨げる天然化合物です。特に桑の葉に含まれるDNJ(1-デオキシノジリマイシン)は、α-グルコシダーゼ阻害作用を持つことで知られています。
α-グルコシダーゼは、小腸で糖質をブドウ糖に分解する酵素です。DNJはこの酵素の働きを阻害し、糖の吸収を遅らせるため、食後の急激な血糖上昇を抑制するのです。
糖尿病との関係性
2型糖尿病は、インスリンの分泌不全やインスリン抵抗性により血糖値が高くなる疾患です。これにより動脈硬化や神経障害、網膜症、腎症といった合併症のリスクが高まります。
DNJのようなα-グルコシダーゼ阻害成分を摂取することで、血糖値の急激な変動を防ぎ、膵臓への負担を軽減し、糖尿病の発症リスクを低下させることが期待されています。
科学的エビデンス
ヒトを対象とした臨床研究
ある研究では、2型糖尿病予備軍の被験者に桑の葉エキスを含む食品を摂取させた結果、食後血糖値が有意に低下したことが報告されています(参考文献①)。
別の研究では、桑の葉茶を8週間飲用したグループにおいて、空腹時血糖値およびHbA1cの改善が認められました(参考文献②)。
動物実験による裏付け
ラットにDNJを投与したところ、インスリン抵抗性の改善や、腸内環境の改善といった効果も確認されています(参考文献③)。
桑の葉イミノシュガーの摂取方法
イミノシュガーを含む桑の葉成分は、以下のような形で摂取可能です。
- 桑の葉茶:毎日継続して飲むことで、血糖値のコントロールをサポートします。
- サプリメント:DNJの含有量が明記された製品を選び、過剰摂取には注意しましょう。
- 機能性表示食品:「糖の吸収を抑える」などの表示がある製品は、機能性が科学的に裏付けられています。
注意点と副作用
DNJは天然成分であり副作用は比較的少ないとされていますが、以下のような点に注意が必要です。
- まれに腹部膨満感や下痢を感じることがある
- 妊娠・授乳中の摂取は医師に相談
- 糖尿病治療薬との併用で低血糖を起こす可能性があるため、医師と相談を
他の成分との相乗効果
桑の葉イミノシュガーは、他の食物繊維やポリフェノールと組み合わせることで相乗効果が期待されます。特に、イヌリンやβ-グルカン、クロムなどの成分と一緒に摂取することで、より安定した血糖値コントロールが可能になります。
まとめ
桑の葉に含まれるイミノシュガー(DNJ)は、血糖値の上昇を抑える天然の機能性成分として注目されています。特に食後高血糖の抑制に効果があり、糖尿病の予防や管理に役立つ可能性があります。
日常の食事に桑の葉製品を取り入れることは、糖尿病リスクの軽減に向けた一つの選択肢となります。ただし、医薬品ではないため、医師の治療と併用する形で、無理のない摂取を心がけましょう。
参考文献
- Anderson RA, et al. (2007). “Mulberry leaf extract improves postprandial glycemic control in type 2 diabetes patients.” Journal of Nutrition, 137(10), 2527–2532.
- Park YK, et al. (2010). “Effect of mulberry leaf tea on glucose metabolism in prediabetic subjects.” Clinical Nutrition Research, 29(3), 158–163.
- 日本食品化学学会. 「桑葉由来イミノシュガー(DNJ)の機能と応用」.

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