コレステロールが気になる方にとって、日々の食事はとても重要です。中でも、植物油やナッツ、えごま油などに含まれる「α‐リノレン酸(アルファリノレン酸)」は、悪玉(LDL)コレステロールを減らす働きがあるとされ、注目を集めています。本記事では、α‐リノレン酸のコレステロールへの効果や、取り入れ方、注意点までを詳しく解説します。
α‐リノレン酸で悪玉コレステロールを減らす?注目の健康効果と食事での取り入れ方
α‐リノレン酸とは?
α‐リノレン酸は、体内で合成できない必須脂肪酸のひとつで、オメガ3系脂肪酸に分類されます。主に、えごま油、アマニ油、チアシード、くるみなどに多く含まれています。
体内に入ると、一部がEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)に変換され、炎症の抑制や血栓の予防、心血管疾患のリスク低減に寄与するとされています。
コレステロールとは?善玉と悪玉の違い
コレステロールは細胞膜やホルモンの材料となる大切な脂質ですが、LDL(悪玉)コレステロールが増えすぎると動脈硬化の原因になります。一方で、HDL(善玉)コレステロールは、余分なコレステロールを回収して肝臓に戻す役割を担います。
α‐リノレン酸とコレステロールの関係
α‐リノレン酸には、LDLコレステロールの低下作用があるといわれています。これは、体内の脂質代謝に関与することで、コレステロールの合成や吸収を抑えるためと考えられています。
例えば、次のような研究結果があります:
- α‐リノレン酸を多く含むアマニ油を摂取した群で、LDLコレステロールの有意な低下が認められた(Zhang Y et al., 2021)。
- 植物由来のオメガ3系脂肪酸の摂取は、心血管疾患のリスクを低下させる(WHO, 2020)。
α‐リノレン酸を含む主な食品
以下は、α‐リノレン酸を多く含む食品の一例です。
食品 | α‐リノレン酸含有量(100gあたり) |
---|---|
えごま油 | 約60g |
アマニ油 | 約55g |
チアシード | 約18g |
くるみ | 約9g |
どのくらい摂取すればよい?
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、α‐リノレン酸の目安量は以下の通りとされています:
- 成人男性:約2.0g/日
- 成人女性:約1.6g/日
これは、えごま油であれば小さじ1杯程度に相当します。
摂取のポイントと注意点
α‐リノレン酸は熱に弱いため、加熱調理には不向きです。サラダにかけたり、ヨーグルトやスムージーに混ぜたりするのが理想です。
また、油であるため摂りすぎるとカロリー過多になる点にも注意が必要です。
他の生活習慣と組み合わせて効果アップ
α‐リノレン酸だけでなく、バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙・節酒などと組み合わせることで、より効果的にコレステロール管理が可能になります。
特に、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂取を減らすことが、LDLコレステロールの低下に重要です。
医師や管理栄養士への相談も大切
すでに高コレステロール血症と診断されている方や薬を服用中の方は、自己判断でのサプリメント摂取は避け、必ず専門家と相談しましょう。
まとめ
α‐リノレン酸は、えごま油やアマニ油などに含まれるオメガ3系脂肪酸で、LDLコレステロールの低下に役立つとされています。毎日の食事に無理なく取り入れることで、コレステロール管理や心血管の健康維持に貢献します。ただし、摂取量や摂り方には注意が必要です。食生活全体の見直しとあわせて、医師や管理栄養士のアドバイスを受けながら実践することが望まれます。
参考文献
- Zhang Y, et al. “Effect of flaxseed oil on serum lipid profiles: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials.” Nutrition Reviews, 2021.
- World Health Organization. “Cardiovascular diseases (CVDs) – Fact Sheet.” WHO, 2020.
- 厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
- 独立行政法人国立健康・栄養研究所. 「健康食品」の素材情報データベース α-リノレン酸.
引用
- 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」厚生労働省
- Zhang Yらによる2021年の研究(Nutrition Reviews)
- WHOによる心血管疾患の栄養関連データ(2020年)

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