腎臓の働きが低下している人にとって、健康食品やサプリメントの摂取には特に注意が必要です。一見、体に良さそうな成分でも、腎機能が悪い状態では体内に蓄積し、副作用や健康被害を起こすことがあります。この記事では、腎機能が低下している人が避けるべき健康食品や、その理由、医師に相談すべきポイントについてわかりやすく解説します。
腎機能が悪い人は健康食品に要注意!サプリや青汁で悪化リスク?知らないと危険な理由を解説
腎臓の役割と腎機能が悪いとはどういうこと?
腎臓は体内の老廃物や余分な水分、電解質(ナトリウムやカリウムなど)を尿として排出する重要な臓器です。また、ホルモンの分泌や血圧の調整、骨の健康維持など、様々な働きを担っています。
腎機能が低下すると、体内の不要な成分や薬、ミネラルなどがうまく排泄できなくなり、血液中に蓄積してしまいます。これが体に悪影響を及ぼす原因となります。
腎機能が悪い人が健康食品に注意すべき理由
健康食品やサプリメントの多くは、ビタミン・ミネラル・植物エキス・アミノ酸など、体に良いとされる成分が含まれています。しかし、腎機能が悪い人は、これらの成分が体に溜まりやすく、副作用のリスクが高まります。
特に注意すべき成分は以下の通りです。
1. カリウム
カリウムは野菜・果物・青汁・植物由来の健康食品に多く含まれます。腎機能が低下するとカリウム排泄が難しくなり、高カリウム血症を起こす危険があります。高カリウム血症は不整脈や心停止を招く恐れがあります。
2. リン
リンは骨や歯に必要なミネラルですが、加工食品やプロテイン、サプリに多く含まれています。腎機能が低下すると高リン血症になり、血管の石灰化や骨への悪影響を及ぼします。
3. マグネシウム
マグネシウムを含む便秘薬やサプリを過剰に摂取すると、腎機能低下時には高マグネシウム血症を引き起こすリスクがあります。症状としては吐き気、低血圧、呼吸抑制などが出現します。
4. クレアチン・タンパク質系サプリ
筋肉増強や疲労回復目的で使われるクレアチンやタンパク質サプリ(プロテイン)は、腎臓に負担をかけることがあります。特に腎疾患のある方は控えましょう。
5. ハーブ・漢方・植物エキス
一部のハーブや漢方薬には腎毒性のある成分が含まれていることがあります。特に「朝鮮人参」「甘草」「ウワウルシ」などは注意が必要です。
腎機能が悪い人が注意したい具体的な健康食品例
- 青汁(カリウム・マグネシウムが多い)
- クロレラ・スピルリナ(カリウム・リンが多い)
- プロテイン(リン・タンパク質過剰)
- にがりサプリ(マグネシウム多量)
- 健康茶(ハーブ成分による腎毒性)
健康食品の摂取前に確認すべきこと
腎機能が悪い人が健康食品を摂取する場合は、以下の点を必ずチェックしましょう。
1. 成分表示の確認
カリウム、リン、マグネシウム、タンパク質などが含まれていないか確認する。
2. 医師・薬剤師に相談
腎機能の数値(eGFR、クレアチニン値など)によって安全な範囲が異なるため、自己判断は危険です。
3. 血液検査の結果をもとに判断
最近の血液検査結果を基に、医師と相談しながら適切な対応を決めましょう。
腎機能が悪い人の健康管理のポイント
腎機能が低下している場合は、健康食品に頼らず、食事療法や薬物療法、生活習慣の改善が基本です。特に次の点に注意しましょう。
- 栄養バランスのとれた食事(医師・管理栄養士の指導を受ける)
- サプリメントや健康食品は医師と相談してから摂取
- 定期的な血液検査でカリウム・リン・マグネシウムなどの値をチェック
まとめ
腎機能が悪い人にとって、健康食品やサプリメントは思わぬ健康リスクを招く可能性があります。特にカリウム、リン、マグネシウム、タンパク質などの成分は、腎臓での排泄が難しくなり、血液中に蓄積してしまいます。腎臓の病気がある方や腎機能が低下している方は、健康食品の使用を自己判断で行わず、必ず医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
参考文献・引用
- 日本腎臓学会「慢性腎臓病(CKD)診療ガイドライン」
- 厚生労働省 eJIM「健康食品と腎疾患」
- 国立健康・栄養研究所「健康食品の安全性・有効性情報」
- 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「医薬品の副作用・相互作用情報」

健康は資産、幸せは健康から!!
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