血液をサラサラにする薬「ワルファリン(ワーファリン)」を服用中の方は、食べ物やサプリメントとの飲み合わせに注意が必要です。特に、健康に良いイメージのある「青汁」や「クロレラ」には、ワルファリンの効果を弱めてしまう可能性がある成分が含まれています。この記事では、ワルファリンと青汁・クロレラの飲み合わせによるリスクや注意点、医師に相談すべきポイントについてわかりやすく解説します。
青汁やクロレラはワルファリンの効果を弱める?飲み合わせの注意点とリスクを解説
ワルファリンとは?どんな薬?
ワルファリン(商品名:ワーファリン)は、血液を固まりにくくする抗凝固薬です。血栓(血のかたまり)ができやすい疾患、例えば心房細動、心臓弁膜症、深部静脈血栓症(DVT)、肺血栓塞栓症(PE)などの患者さんによく使われています。
ワルファリンは、ビタミンKの働きを阻害することで、血液の凝固を防ぎます。そのため、ビタミンKを多く含む食品やサプリメントと一緒に摂取すると、薬の効果が弱まり、血栓ができやすくなるリスクがあるのです。
青汁とクロレラが持つワルファリンへの影響とは?
青汁やクロレラは、健康食品として人気がありますが、どちらもビタミンKを多く含むのが特徴です。
青汁に含まれるビタミンK
青汁はケール、大麦若葉、明日葉などの緑色野菜を原料に作られています。これらの野菜はビタミンKが豊富で、摂取するとワルファリンの効果が弱まる可能性があります。
クロレラに含まれるビタミンK
クロレラは淡水性の緑藻類で、サプリメントとして広く販売されています。クロレラもビタミンKを大量に含んでおり、ワルファリンを服用中の人が摂取すると、薬の作用を妨げるおそれがあります。
ビタミンKによるワルファリンの効果低下のメカニズム
ワルファリンはビタミンK依存性凝固因子(II, VII, IX, X)の活性化を抑えることで血液を固まりにくくしています。しかし、ビタミンKを過剰に摂取すると、その働きが打ち消され、ワルファリンの抗凝固作用が弱まります。
この結果、血栓ができやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まることがあります。
実際に起きた青汁・クロレラとワルファリンの相互作用の報告例
過去には以下のような事例報告があります。
- 青汁を飲み始めたことでPT-INR(血液凝固検査値)が低下し、ワルファリンの効果が弱まった。
- クロレラサプリメントの摂取でPT-INRが急激に低下した。
- 自己判断で青汁をやめたり再開したことで、PT-INRが大きく変動した。
青汁やクロレラを摂取する際の注意点
ワルファリンを服用中の方が青汁やクロレラを摂取する場合は、必ず主治医や薬剤師に相談しましょう。以下のポイントに注意してください。
1. 勝手に摂取しない
ビタミンKの摂取量が増えると、PT-INRの値が下がり、血栓リスクが高まります。
2. すでに摂取している場合は医師に報告を
定期的な採血検査でコントロールされている場合、突然摂取をやめたり再開すると危険です。
3. 定期的なPT-INR測定が重要
ワルファリンを服用している方は、定期的な血液検査(PT-INR)で適切な薬の効果を確認することが大切です。
青汁やクロレラ以外にも注意が必要な食品
以下の食品やサプリメントもビタミンKを多く含むため、ワルファリン服用中は注意が必要です。
- 納豆
- ほうれん草
- ブロッコリー
- モロヘイヤ
- 抹茶
ワルファリン服用中の食生活のポイント
基本的には「ビタミンKを急に多く摂ったり、急に制限したりしない」のが鉄則です。普段の食事で緑黄色野菜を適度に摂る程度は問題ありませんが、健康食品やサプリメントは特に注意が必要です。
まとめ
ワルファリン(ワーファリン)を服用中の方は、青汁やクロレラなどビタミンKを多く含む食品やサプリメントとの飲み合わせに注意が必要です。これらを摂取することで薬の効果が弱まり、血栓症のリスクが高まるおそれがあります。自己判断での摂取や中止は避け、必ず医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
参考文献・引用
- 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「ワルファリンカリウム錠 添付文書」
- 厚生労働省 eJIM「サプリメントと薬の相互作用」
- 日本循環器学会「抗凝固療法の手引き」
- 国立健康・栄養研究所「健康食品の安全性・有効性情報」

健康は資産、幸せは健康から!!
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