セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)は危険?薬の効果を弱める作用と注意点を解説

健康

ハーブティーやサプリメントとして人気の「セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)」。しかし、実はこのハーブには薬の効果を弱めたり、副作用を引き起こす可能性があることをご存知でしょうか?この記事では、セントジョーンズワートの働きや、併用に注意が必要な薬、使用時の注意点についてわかりやすく解説します。

セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)は危険?薬の効果を弱める作用と注意点を解説

セントジョーンズワートとは?

セントジョーンズワート(St. John’s Wort)は、ヨーロッパ原産のハーブで、日本では「セイヨウオトギリソウ」とも呼ばれています。古くから不安やうつ症状の改善に使われてきた植物で、現在はサプリメントやハーブティーとして販売されています。

このハーブの主要成分である「ヒペリシン」や「ヒペルフォリン」には、軽度から中等度のうつ症状を和らげる効果があるとされています。

セントジョーンズワートが薬の効果を弱める理由

セントジョーンズワートが薬の効果に影響を与える主な理由は、肝臓の酵素「CYP3A4(シップスリーエーフォー)」や「P-糖タンパク質(P-gp)」の働きを活性化させることにあります。

これらは、体内に入った薬を分解・排出する役割を担っています。セントジョーンズワートによって働きが強まると、薬が早く分解・排出されてしまい、本来の効果が十分に発揮されない可能性があるのです。

併用に注意が必要な薬の例

セントジョーンズワートと併用することで薬の効果が弱まる、または副作用が生じる可能性のある薬は多数あります。代表的なものは以下の通りです。

1. 抗うつ薬

  • SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
  • SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)

→ セロトニン症候群のリスクが高まる恐れあり。

2. 経口避妊薬(ピル)

→ 避妊効果が低下し、予期しない妊娠の可能性。

3. 免疫抑制薬(シクロスポリンなど)

→ 拒絶反応のリスク増加。

4. 抗HIV薬

→ 薬効低下によるウイルス増殖。

5. 抗てんかん薬、抗凝固薬(ワルファリン)、心臓病薬など

→ 薬の血中濃度が低下し、効果が不十分になる恐れ。

セントジョーンズワート使用時の注意点

自己判断で使用しない

サプリメントやハーブティーは健康によいイメージがありますが、薬と併用すると危険な場合があります。使用前に医師や薬剤師に相談しましょう。

薬を服用中の方は特に注意

現在、医師から処方された薬を飲んでいる方や、市販薬を常用している方はセントジョーンズワートの使用を避けるか、必ず専門家に相談してください。

表示や成分をよく確認する

サプリメントの中には、セントジョーンズワートが含まれている場合があります。知らないうちに摂取してしまうリスクもあるため、成分表示を必ずチェックしましょう。

セントジョーンズワートを安全に使うために

セントジョーンズワートは、適切に使えば効果が期待できるハーブですが、薬との相互作用には十分注意が必要です。特に長期間服用する場合や、複数の薬を服用している方は、医療機関に相談することをおすすめします。

まとめ

セントジョーンズワートは、自然のハーブでありながら薬の効果に大きな影響を与える可能性がある成分です。特に抗うつ薬、ピル、免疫抑制薬、抗HIV薬などを服用している方は要注意。健康のために取り入れたはずのハーブが、薬の効果を弱めたり、副作用を引き起こすリスクもあるため、必ず医師や薬剤師に相談してから使用しましょう。

参考文献・引用

  • 厚生労働省「健康食品の正しい利用法」
  • 国立健康・栄養研究所「セントジョーンズワート」
  • 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「健康食品との相互作用」

健康は資産、幸せは健康から!!

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