アセトアミノフェンは、風邪薬や解熱鎮痛薬として広く使用されている成分です。しかし、過剰摂取や特定の条件下では肝障害を引き起こすリスクがあることをご存じでしょうか?本記事では、アセトアミノフェンによる肝障害の原因や症状、安全な服用方法、注意すべきポイントについてわかりやすく解説します。
アセトアミノフェンで肝障害?安全な飲み方と注意点を解説
アセトアミノフェンとは?
アセトアミノフェンは、鎮痛・解熱作用を持つ医薬品で、風邪薬や頭痛薬などに広く配合されています。比較的安全性が高いとされていますが、用量を超えて服用すると副作用が発生することがあります。
アセトアミノフェンによる肝障害とは?
アセトアミノフェンは肝臓で代謝される薬です。通常の用量であれば問題ありませんが、過剰に摂取した場合、代謝によって発生する有害な代謝物(NAPQI)が肝細胞を傷つけ、肝障害を引き起こすことがあります。
肝障害の症状
- 吐き気・嘔吐
- 食欲不振
- 倦怠感
- 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
- 右上腹部の痛み
どのくらいの量で肝障害が起こるのか?
一般的に成人のアセトアミノフェンの最大許容量は1日4000mgとされています。しかし、肝機能が低下している人や高齢者、栄養状態が悪い人、アルコール多飲者などでは、より少ない量でも肝障害が発生する可能性があります。
高齢者の事例
実際に、80代後半の女性が1日400mgのアセトアミノフェンを19日間服用し、肝機能障害を起こしたケースが報告されています1。通常よりかなり少ない量でも注意が必要であることがわかります。
肝障害のリスクが高い人とは?
- 高齢者
- 低栄養状態(食事が不十分)
- アルコール多飲者
- 肝疾患の既往がある人
- 長期連用している人
アセトアミノフェンを安全に使うためのポイント
1. 用法・用量を守る
市販薬でも添付文書に記載された用法・用量を守りましょう。1日の最大量を超えないことが基本です。
2. 飲み合わせに注意
複数の薬にアセトアミノフェンが含まれている場合、知らないうちに過量摂取になることがあります。成分表示をよく確認しましょう。
3. 肝機能検査を受ける
長期間使用する場合や肝機能に不安がある場合は、定期的に血液検査で肝機能をチェックしましょう。
4. アルコールは控えめに
お酒を多く飲む人は、アセトアミノフェンの代謝が悪くなり、肝障害のリスクが高まります。飲酒と併用は避けましょう。
5. 医師・薬剤師に相談する
不安なことがあれば、自己判断せず医師・薬剤師・登録販売者に相談するのが安心です。
アセトアミノフェンの代わりに使える薬は?
肝障害リスクが気になる人は、医師に相談すると他の解熱鎮痛薬(例:イブプロフェン、ロキソプロフェンなど)を提案されることもあります。ただし、それぞれに副作用があるため、自己判断は禁物です。
まとめ
アセトアミノフェンは正しく使用すれば安全性が高い薬ですが、用量を超えたり、長期間服用したりすると肝障害を引き起こす可能性があります。特に高齢者やアルコールを多く摂取する人、栄養状態が悪い人は注意が必要です。服用前には必ず医師や薬剤師に相談し、肝機能のチェックを受けながら安全に使用しましょう。
参考文献・引用
- 全日本民医連ホームページ 副作用モニター情報<481>「アセトアミノフェンによる肝障害」2022年
- 厚生労働省「医薬品のリスクに関する情報」
- 日本中毒学会「アセトアミノフェン中毒」

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